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ED(インポテンツ)の治療法

医師は、様々な治療方法の中から患者さんに適した治療方法を選択し治療します。以下に、「クエン酸シルデナフィル」の他、AUA(米国泌尿器科学会)が「器質性勃起不全の治療ガイドライン」の中で効果のある治療方法として勧告している、3つの治療方法「陰圧式陰茎勃起補助具(EVD)、陰茎海綿体内注射、陰茎プロステーシス」と日本で古くから効果があると言われてきた「漢方薬」について説明します。
■クエン酸シルデナフィル(商品名:バイアグラ)
性的刺激により興奮すると、勃起をつかさどる神経から一酸化窒素(NO)と呼ばれる伝達物質が放出されます。これが、陰茎の勃起に非常に重要な役割を果たしています。NOは、生体内に広く分布する血管拡張因子であり、サイクリックGMP(cGMP)という物質を介して血管を拡張させる働きがあります。したがって、陰茎海綿体内では、NOが生産されると陰茎海綿体平滑筋を弛緩して海綿体内への血液の流入量を増大させて陰茎を膨張させます。性的刺激とNOの放出に始まる、この一連の働きにより陰茎が勃起します。また、陰茎海綿体内には、cGMPを分解してしまうホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)という酵素が存在します。このPDE5はcGMPを分解して、活性がないGMPにします。クエン酸シルデナフィルは、この陰茎海綿体内のPDE5を選択的に阻害することで、cGMPの濃度を上昇させて陰茎海綿体平滑筋の弛緩反応を増強し、陰茎の勃起を促させる薬剤です。クエン酸シルデナフィルは特に狭心症などに使われるニトログリセリン(内服、舌下錠、バップ剤)を使用している場合には、服用できません。
■陰圧式陰茎勃起補助具(EVD)
最近、日本で医療用具として認可された陰圧式陰茎勃起補助具(EVD)は、陰茎を陰圧にすることで陰茎海綿体内に血液を流入させ、勃起後は、陰茎の根元をリングで締め付けることにより、陰茎の勃起状態を維持するというものです。この用具は、ゲッディング?オズポーン氏が、自分の勃起障害を治療するために開発した用具が起源となっています。安全性が高く効果的であることから、AUA(米国泌尿器科学会)が「器質性勃起不全の治療ガイドライン」の中で勧告している、3つの治療方法の一つにまでなっています。
■陰茎海綿体内注射 
陰茎海綿体を広げて勃起させる薬剤(塩酸パパベリン、PGE1、フェントラミンなど)を陰茎に注射します。特にPGE1は比較的副作用が少ないこともあり、多く使用されています。米国では、「クエン酸シルデナフィル」の登場までは第一選択の治療方法でした。この治療方法は効果も高く、確実に勃起することが特長ですが、セックスの直前に注射しなければならないことが欠点です。日本では自己注射が認められていないことから、ほとんど行われていないのが現状です。 
■陰茎プロステーシス 
陰茎プロステーシスは、陰茎海綿体内に棒(プロステーシス)をさしこみ、性交を可能にさせる方法です。現在、日本で使えるプロステーシスは3種類あり、よりよいプロステーシスの登場で満足度が上がっているとのことです。手術を行う患者さんは、「パートナーのための手術である」ということを充分に理解されているようです。ただし、この治療方法は、プロステーシス挿入後は確実に性交が可能となりますが、海綿体を破壊することや陰茎が冷たい等、違和感を訴える患者さんもいるようです。 
■ 漢方薬精力剤
勃起障害の患者さんに漢方薬が使われることがあります。勃起障害は漢方でいう「陰萎(いんい)」という状態にあてはまると考えられており、加齢などにより身体の働きが弱ったり、心を使いすぎて疲れがたまったりする事により「陰萎」になってしまうとされています。それを補っていこうというのが漢方の基本的な考え方です。漢方では、患者さんの「証(しょう)」に合わせて、最も適した薬が使われます。「証」とは患者さんの「体質?症状」をあらわす言葉で、同じ病気でも違った薬が処方されることがあります。現在、 漢方薬は医療用漢方製剤として様々な医療機関でも用いられております。漢方薬は複数の生薬を組み合わせて一つの処方として用いられており、「証」にあった漢方薬を服用することで効果が一層高まると考えられています。また、漢方薬にも副作用があるので、医師の指示どおりに服用することが大切です。